NO IMAGE

自分で片付けられないなら、人に頼るのはアリだけど…

午前10時、我が家へ彼女が来た。

長い間、お手上げ状態のまま放置されていた散らかった部屋にメスが入る。他人の介入は、とても新鮮だ。

 

私は昨夜、猫のトイレがあるランドリーも、シンクいっぱいに食器が積まれたキッチンも、畳まれてない洗濯物も、何も手が付けられないまま床についた。

なぜこんなにやる気がわかないのだろう?本当は記事も書きたかったのに、結局「やらなきゃ…」という中途半端な気持ちだけ抱いたまま、何も出来なかった。

それは家の中がパートナーの物で溢れているせいだとずっと思っていたし、それも大きな割合を占めているのは間違いないと思う。だけど、それにしても酷い。

「あっそうか、更年期障害に突入しているのかもしれない」と思い付き、ベッドの中で調べてみる。

2〜3年前に閉経して楽ちんになったと喜んでいたが、体が熱って大汗をかく症状も始まっていた。でも、大したことないまま乗り越えられるだろうとたかを括っていたが、どうやら家事ができなくなるという症状もあるそうだ。

そう言えば、動画の見過ぎが原因かと思っていたが、最近は集中力の低下が著しいし、不眠、だるさ、それにたまに左足の付け根にピリピリと痺れを感じることが増えて、心配になっていた。

近いうちにGPに行ってみよう。

そんなわけで、私は結局何もやる気が起きず、きっと切羽詰まった方がやる気が出るだろうと「朝の5時か6時に起きてやるわ」と言って寝た。パートナーだって、少しは手伝ってくれれば良いのにとちょっと怒りつつ…。

でも寝たのが結局午前3時くらいだったので、一度猫に起こされて餌はやったものの、起きたら8時くらいだった。でも大丈夫。時間通りに大体きれいにし終えた。やはり、だらだらいつまでもやっているより、必要に迫られたら短時間で出来るのだ。

 

さて、訪問者は片付けを手伝ってくれる専門家だ。最初に来たのが1月の終わりだったと思うので、今回は2回目。

前回はオフィス (サンルーム) の片付けで、かなり物を捨てたしスペースもできたが、片付け終わらなかった荷物が複数のクリアボックスに入れられ、バルコニーに置かれたまま。

だが、今回はベッドルームらしい。パートナーの服や物で溢れているところを、どんどんと捨てていく。

10年近く物が詰まり過ぎて使えなかったクローゼットが使えるようになり、床に置きっぱなしのまま積み重なっていた雑誌やボックスなどを除けると、大量のホコリの塊が出てきた。

長い間着ていない革ジャンを「高かったから捨てたくない」とごねるパートナーに、「スペースを開けないと片付かないのよ」と彼女が説得してくれ、手放すことに成功。

3人ともものすごく疲れたと思うが、いらないものを詰めたらゴミ袋12袋以上になった。

この莫大な物の量は、もはやパートナーや私がどうにか出来る量ではなかったので、他人が介入してくれて良かったと思う。びっくりするくらいスッキリして、レベルは低いけど、私の長年の夢が叶ったと言える。

正直、あの無駄な荷物が長い間生活スペースを占領して、私のエネルギーを奪っていたんだなと思うと腹が立って仕方ない。でも、パートナーが自分から手助けしてくれる人を手配して物を捨てる気になったのだから、それだけでも進歩と思うしかないだろう。

 

ただ彼女、最後の方はパートナーがキープしたいと言ってた物まで勝手に捨てていて、実はパートナーが取っておきたいと言っていたネクタイを8本くらい捨てていたのを目撃した。

パートナーが好きなものにどれだけ愛着を持っているかも知っていたのでちょっと胸が痛んだが、言うべきか言わないべきか複雑な気持ちだった。

 

そして夕方になって、パートナーのサムソンウォッチが紛失していることに夕方気づく。

色んな方法を試して探してみたが、見つからない。

バルコニーに積まれていたゴミ袋は、私が洗濯物を干す場所がないからとパートナーに言って、既にダストシュートに放り込んでもらっていた。3袋あったので、もしかしたらその中に入っていたのかもしれない。

ああ、ちゃんと確認してから捨てるべきだったのかも。

昔、パートナーのズボンのポケットに入っていたiPodに気づかずに洗濯してしまってダメにしてしまったことを思い出して、胸が痛くなる。パートナーが悲しんでいると、私まで悲しくなってしまうのだ。

でもラッキーと言うべきか、バルコニーにある残りの袋は衣類のみと思っていたら、ひとつだけ衣類以外のゴミが残っていた。

パートナーが中を確認してみたら、買ったばっかりの物やベッドに置いていた物を適当に捨てられていたようで絶句していた。(お気に入りの靴下まで) そして、パートナーは私に「さっき、ちょっと捨てる前にゴミを確認したんだけど、彼女、タックスの書類まで捨ててたから取り出してきたんだ」と教えてくれた。

 

結局、サムソンウォッチはなかった。

とはいえ、パートナーや私だけでは絶対にここまできれいには出来なかったので、他人に片付けを手伝ってもらったことは間違ってなかっただろう。

物を失うと言うことは、新しいものが入ってくると言うことでもある。それよりも、ここまできれいになったことを喜ぶべきではないか、と私はパートナーに言った。パートナーが彼女にクレームを入れるのかどうかは知らない。

でも、もうすっかり良い歳になってしまった私たちだが、過去に執着するのではなく、未来を見て生きていきたいではないか。