数回にわたって2007年の10月に行っていた、クイーンズランド州のバンダバーグの事を書いています。
今回は、前回のバックパッカーズホテル (略してバッパー)で起こったバッパーパニックストーリーPart2です。
Part1はこちら
→ 何だそれ!? バッパーパニック Part1
他の過去の記事はこちら
→ 猫も杓子もバンダバーグ!? 実際のところは…
→ トマトファームでピッキング専用の車にびっくり
このバッパー、経営とかスタッフの維持とかはたから見てても大変なんだろーなー、という感じがしました。
最初はメリッサというボスらしき金髪の女性スタッフが他のバッパーを掛け持ちしながらやってたみたいですが、そのうち他のスタッフが2人ほど入れ替わりで来るようになりました。
1人は典型的なオージーといった感じの30代くらいのフレンドリーでスキンヘッドな男性。
もう1人は外見は男性そのものだけど、声だけ明らかに女なおなべさん。
名前を覚えてないのでAさんとBさんと呼ぶ事にします。
この2人、なかなか個性的でした。
スキンヘッドのAさん、このバッパーに来て何とかしなきゃと思ったんでしょう。
いきなり夕飯時に“中庭にみんな集まるように” と放送。
みんなを輪になって座らせて、一体改まって何事だろう?と思ったら、「このバッパーをみんなで良くしよう!」と簡単なスピーチを始めました。
ノリの良いヨーロピアンたちが「Yeah‼︎」と掛け声を入れて終わり。
ん?終わり?それだけで全員を放送で呼び出したのか(笑)
おなべのBさんはBさんで、ファームが終わってみんなが各自の自由時間を過ごしてる時にいきなり“キッチンに全員集合するように” と放送。
私たちは近くのスーパーに買い物に出かけていたのでその場にはいず、後で他の人からそれを聞きました。
キッチンに全員集めて、冷蔵庫の棚を部屋ごとに分かるように入れ替えたかったみたいです。
「でも誰がどの棚使ってるか分からないし、動かそうにも鍵がかかってて動かせないし、そもそも全員が揃わなかったからあきらめたらしい。」って。
当たり前じゃい‼︎ そんなのいきなり放送されたって、みんな知らないから出掛ける人がいるに決まってるだろ。貴重な買い出し時間でもあるんだから。本当にそうしたかったら前もって連絡せんかい!
と本当に呆れましたが、それ以降冷蔵庫を整理するという連絡は一度もありませんでした。あきらめ早!
ただの「自分はバッパーの事をちゃんと考えてますよ。」というポーズだったんですかね?? ちゃんと段取り取れば上手くいくのに…(笑)
そんなある日、ついに事件が起こりました。
ヒデさんという人のお金とカメラが盗まれたんです。
ヒデさんは私たちの隣の部屋の人で、4人部屋をずっと1人で使っていた日本人です。
このバッパーのへんてこな部屋の割り当ては私も気にはなってました。
定員いっぱいの部屋があるかと思えばドミトリーなのに1人しか使ってない部屋が何室かあったり、でも男女分けてるかといえばミックスだし。
スタッフもやっとそこに気付いたんでしょう。
部屋をつめて、ある程度の人数にまとめたかったんだと思います。
それは良いんですけど、スタッフが勝手に彼の荷物を他の部屋に動かしちゃったんです!ヒデさんがファームにいっている間に何の了承もなく。
ファームから帰ってきたヒデさんが確認すると、現金$200くらいとカメラが消えていたそうです。
しかも用心の為にわざわざ鍵を付けておいたポーチの中から取られていたそうで、何故か鍵はきちんとかかったままでした。
現金をこまめに銀行口座に入れておいたのが不幸中の幸いだったみたいです。
その日から姿を消したオージーの宿泊者がいて、犯人はその人じゃないか?とか色んな憶測が飛びましたが結局分からず終い。
勝手に荷物を動かしたBさんに、何故そんな事をしたのかと問い詰めたところ、Bさんが泣いたのでそれ以上言えなかったそうです。いやいやいや…(-_-;) 泣くな。
そう言えばレセプションの入り口に防犯カメラがあるじゃないか!と思ったんですが、あれはただの防犯の為に付けていた飾りだそうです。ダメじゃん、使えない…。結局何も戻って来ませんでした。
私は私でチェリートマトの最期の給料がいつまで待ってももらえなくてヤキモキしてました。
ファームの事はメリッサしか分からないとの事で、私はメリッサがバッパーに来るたびにしつこく聞いていました。
「ファームから何も連絡がないの。連絡しても返事がないの。」の繰り返しで何週間経ってもそればかり。
最後には「ファームが払ってくれないんだから仕方ないでしょ‼︎」とキレられました。
分かるけど、それを斡旋してるんだから斡旋側も責任があるんじゃないの? と日本の感覚ならそうだと思うんですけど、メリッサは自分は悪くないという態度で平然としています。
私たちはお金を稼ぐ為にこのバッパーに泊まってる訳で、食器とかの充分な設備が整ってないけど文句も言わずに週$180払ってるのに(当時のクイーンズランドのバッパーでは高い方だと思います。) 、ファームを斡旋するだけしてタダ働きになっても知らん顔…?なんだか納得出来ませんでした。
そういえば聞いたことがあります。時々給料を払ってくれないファームがあるんだと…。
私の払ってもらってない金額は確か$100くらいだったと思うんですけど、私たち貧乏バックパッカーにしてみれば貴重ですし、とにかくなんか腹が立つ…。
でもこの問題は、結局最後にこのバッパーを去る時にAさんと交渉してチャラになりました。
私がバッパーを去る日、Aさんがレセプションにいました。
Aさんなら理解してくれそうな気がして、ダメもとで聞いてみたんです。
「私はもうここを去らなきゃいけないのでこれ以上待てないんだけど、ここの宿泊料を払ってもらえてない給料と差し引いて残りを払うのじゃダメかなあ…?」
Aさんは哀れそうな顔で私を見て「That’s OK.」と言ってくれました。
おお、言ってみるものですね。
この時ばかりはAさん、かっこいいなあと思いましたよ(笑)
でもこれ絶対にAさんの独断なので、後でメリッサに怒られたんじゃないかな?と心配でしたけどね。
ありがとう、Aさん。
この国では主張をしないと泣き寝入り、という事がよく起きるのです。
こんなへんてこなバッパーでしたけど、やっぱり後で思えば楽しかったです。
次の日仕事がないからと食堂で安ワイン片手に遅くまでしゃべってたら結局夜が明けちゃった事とかもあったし、とにかく自由でしたねえ。
大勢でカレー作って食べたり、それぞれ料理作ってパーティもよくやりました。ザ・ワーホリって感じの生活でした。
途中から私の友人がブリスベンから来たのですが、その子は料理が上手で太りました(笑) その後の旅行の写真を見たら、私の顔も足もパンパン。
プリンもオーブンさえあれば簡単に出来てしまうのでしょっちゅう作ってましたね。
鍋でご飯を炊くのは当たり前。これが出来るようになるとどこに行っても便利です。
暇なので、すぐにボロボロになるマネキュアを毎日しつこく塗ってみたりも(笑)してました。
この町はこじんまりとしてるけど、すごくど田舎という訳でもなく、住み心地は悪くなかったですよ。
アジア人が多いだけに、アジアンスーパーマーケットとかもありましたしね。
そんなバンダバーグの町について、興味ある方は観光や見所も紹介しますので見てみてください!(^^)