1年有効のワーキングホリデービザを持った人たちが、政府の認めている地域で3ヶ月以上の季節労働に従事して申請すれば更にもう1年の滞在許可が出るセカンドビザという制度が導入されてから10年以上経ちました。
現在では取得条件が30歳までだったものが35歳までに引き上げるとか、最大3年滞在出来るようになるとか色々と変わってきていますが、今も昔もファーム探しは大変なようで。
最近では悪徳と呼ばれるファームもそれなりに目立つようになり、探している人が多くて飽和状態な印象も受けます。
私がワーホリしていた2006年当時はまだファームに行く人が限られていたので、探すのは大変でしたが、悪徳はまだそんなになかったような気がします。まあ、もっとも公になる機会がなくて知らないだけかもしれませんが。
でも、そんなセカンドビザがまだ導入されたばかりの当時でも、クイーンズランド州のバンダバーグ(Bundaberg) はあまり良い評判を聞かなかったです。日本人の間で「ファームと言えばここ!」というほど有名でしたけどね。
つまり、人が殺到して飽和状態になれば、搾取する人も増えるという事でしょうか。
そんなウワサを知りつつバンダバーグ に行った私の結論としては、
日本人だらけ? → 場所による
という当たり前の事実です(笑) まあ、こういうのは本当に運やタイミングも大切ですからね。
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バンダバーグとは
バンダバーグ(Bundaberg)はクイーンズランド州のケアンズとブリスベンの間に位置する農業が盛んな人口約3万人弱の小さな町です。
日本の感覚で地図上で見ると町と町の間は近いと思いがちですが、1番大きくて近い都市であるブリスベンからバンダバーグ まで余裕で360km (車で5時間) 離れています。
バンダバーグは “クイーンズランドのサラダボウル” と呼ばれ、かつては行けば必ず何らかのファーム仕事があると言われていたほど農業が盛んな場所だったのですが、セカンドビザが出来てからは日本人が増え過ぎて稼げない事でも有名な場所になってしまいました。
私は「あそこは日本人だらけで稼げないから絶対に行かない方がいい。」と実際に行った人からよく聞きましたが、他に情報が見つけられない日本人が多かったのか、行く日本人は後を絶たない状態でした。
バンダバーグと聞いてまずオーストラリア人が思い浮かべるのが、おそらくバンダバーグラムでしょう。
バンダバーグラムはオーストラリアではとても有名なラム酒で、この地域にある工場で作られています。
他にもラム酒の原料となるサトウキビの生産地としても知られていて、バンダバーグ産の砂糖はオーストラリア全土のスーパーマーケットで買う事が出来ますし、カフェなどにあるスティックシュガーでもよく使われているのを見ます。
ワーホリあるある?当時は節約の為にカフェの砂糖をキープしてました^^;
→ バンダバーグのラムとジンジャービア
バンダバーグに来る日本人の傾向
2005年11月にセカンドワーキングホリデー制度というものが導入されて以来、この小さな田舎町が日本人ワーキングホリデーの人たちで賑わう地域として有名になった理由のひとつに、日本のエージェントがいち早くここに目を付けて宣伝したのも大きかったと思います。日本語情報誌にいつも大きく載っていましたからね。
こんな事を言うと気を悪くする人もいるかもしれませんが、当時バンダバーグに集まっていた日本人のタイプは私がそれまで働いていた2カ所のファームと比べて特徴的だなと思いました。
私は2年間のワーキングホリデーでバンダバーグも入れて3カ所のファームを経験したのですが、他の2つのファームで出会った日本人はみんな生き生きと仕事を楽しそうにやっていて積極的だったのに比べて、ここの人たちはセカンドビザの為に仕方なくファーム来ました的な受け身ムードの人が多かったんです。(あくまでも傾向として。)
ちなみに他の2つのファームというのは Lakeland という超僻地のバナナファームとイチゴで有名な Caboolture なのですが、セカンドビザ制度がなくてもこの人たちファームで働くんじゃないかな?と思うような生命力溢れる日本人たちを目の当たりにして尊敬の念すら抱いていたので余計に際立って見えたのかもしれません。
多分ファームの情報が少なかったのでバンダバーグしか知らない (調べない) 人が多いのと、エージェントが斡旋してくれる地域なので安心 (楽したい) という心理がある人がここに集まって来やすいのではと私は分析しました。
(今は状況も変わってるかもしれませんので、気を悪くした人はごめんなさいね。)
そう思ったのは、ゴールドコーストとバンダバーグしか行った事がないのに「オーストラリアってつまんない。」とほざいたり、「友達と一緒のファームに行けないから他を探す!」と辞めたり、「こんなに汚れたら病気になっちゃう。」と文句言ったりと、そういう日本人が多かったです。
思うに私は移動型のワーホリだったので、定住する人よりも人と出会う機会が多かったので、バンダバーグ は稼げないという話をたくさん聞く機会があったのかもしれません。
同じような時期に来た同じようなメンバーでいつもつるんでいたら、新しい情報が入りにくいですからね。
だから、そういう日本人がバンダバーグに来てしまいやすいのかも、と。
あ、でもバンダバーグ にも尊敬できる日本人も何人かいましたよ!
現在は年々ビザ申請料が上がりファーム条件も厳しくなっているセカンドビザですが、その反面スマートフォンの普及に伴いブログを書く人も増え、かなり簡単にファーム情報が手に入るようになったと感じます。
当時の主流 SNS は今となっては昔懐かしの mixi で、Facebook もまだ日本語が導入されておらず、知ってる日本人は少ない時代。
ファーム情報なんてほとんどなくて、あっても英語だったと記憶しています。
全然知らない人から私の所にまで mixi で「どうやってファームを探したんですか?」という問い合わせがたくさん来ていましたね。
(ただ、いきなり散々聞くだけ聞いておいてお礼や返事すらない人がたくさんいましたけどね!自分が思っていたような情報じゃなくてもせめてありがとうくらい言いましょう。)
だから、多くの人がバンダバーグに限らずエージェントに高いお金を払ってファームを紹介してもらうのが普通でした。
稼げないって本当だろうか?
エージェントを通さなくても、とりあえずバンダバーグ に行けば何とかなると思っていた人も結構いたようです。
ある時、たまたま旅行中にブリスベンで会った日本人の女の子2人組も、これからバンダバーグに行くと言ってました。
でも稼げない事は初耳だったのか「行ってみないと分からないから!」と全く聞く耳持つ様子もなく旅立って行きましたけど、彼女らは稼げたのかな?
正直言って、あんなに行った人たちが辞めた方が良いと口々に言ってるのに行く人はバカだな〜と思ってましたが、そのうちだんだん私は「その噂は本当なのか?だとしたらどのくらい稼げないんだろう!?」と謎に興味を持つようになってしまい、実際に現地に行って働いてみました。2007年10月の事で、かなり昔ですけどね(笑)
ひとつ知ってもらいたいのは、バンダバーグのファームの数が他の地域に比べて圧倒的に多くて行く人も多いので、評価も数が多いという事。必然的に悪い評価の数も多くなるのは当然で、良い評価もあるはずです。
行く人が少ない地域は、まず評価自体が少ないですから。
まあでもネットを見る限りでは、現在でもバンダバーグ は稼げないとか違法ファームが多いとかいう話は多いです。
エージェントは必要か
えっとですね、バンダバーグに限らず確実にファームがあるという地域なら、エージェントにお金を払うのはもったいなかったですね。
こういうファームが盛んな地域では、バックパッカーズホテル (以下 バッパー)が仕事を斡旋してくれるところも多くて、そこに宿泊すれば空きが出来次第ファームで働く事が出来ます。実際私が滞在していたバッパーも、ほぼ全員がファームで働く目的で宿泊していました。
1番確実で簡単な方法は既にファームで働いている知り合いに呼んでもらう事ですね。
知り合いなら離れていても常に信頼できる情報を教えてもらえるし、競争率が激しい時期でも自分のスポットを確保してもらえるかもしれません。
私の場合も前のファームで一緒に働いてた韓国人の友人がすでにバンダバーグで働いていたので、彼とコンタクトを取って無事にバンダバーグに潜入成功しました。
私がバンダバーグ で滞在したバッパーは3カ所くらいのファームと提携していて、事前に誰がどのファームに行くかをスタッフが振り分けて、毎日掲示板に次の日のファーム日程が張り出されてました。私たちはその日程表を見て次の日の予定やバスの時間を知り、朝になるとバッパー前からファーム行き専用のバスがそれぞれ出るという仕組みです。
仕事の内容と給料
私が滞在したのが10月から11月で、空きが出るまで待機していたのは1週間。これは運とタイミングなので人によって違い、何カ月も待たされたという話も聞きます。
最初はチェリートマト (日本でいうプチトマト) から始まって、そのうち普通サイズのトマトの繁忙期が始まりそちらに移りました。
ちなみにチェリートマトは出来高制、トマトは時給制でした。
バックパッカーの滞在費が男女ミックスの4人部屋ドミトリーで1週間で$180。
最初は仕事がなくて、1週間$40くらいしか稼げないという過去最低の金額だと思っていたら、そのうち繁忙期で週$800以上という過去最高額を稼ぐ事が出来ました。
その代わり、朝早くから暗くなるまで休みも返上で働いても追いつかないような忙しさでしたけどね。
ファームの仕事を見つけるのは本当にタイミングなんです。
忙しい時期に行こうと思ってももう人がいっぱいで入れない事も多いですし、入ってみたものの仕事が少ないとか、逆にいきなり入ってきてたくさん稼げるラッキーな人もいます。
特に繁忙期は稼げるので人気があり、すぐに人で埋まってしまうので、忙しくなる前からファームに入ってスタンバイしてる人もいるのです。
稼げるファームの見分け方?
ファームで働いている時に面白い話を聞きました。
稼げるファームかどうかを見分けるには、働いている韓国人の割合を見れば良いという事。
これも昨今のインターネット普及で状況は変わったかもしれませんが、当時韓国人のインターネットによるネットワーク網はすごく、ファーム情報を常にシェアしあっていたのでどこが稼げてどこが良くないかとかとにかく情報が早かったんです。
そして韓国人はお金にシビアな人が多いので、稼げないとさっさと見切りをつけます。
私の泊まっていたバックパッカーズホテルも最初の稼げないうちは、バンダバーグにしては珍しくヨーロピアンやオージーばかりでアジア人はほとんどいなかったのですが、繁忙期になって稼げ出した途端に本当に韓国人だらけになりました。恐るべし韓国人ネットワーク!
おわりに
どうしても12月にゴールドコーストに滞在しないといけない予定を入れてしまったので、繁忙期の真っ定中泣く泣くバンダバーグを後にしたのが少し心残りです。こんなに稼げるって知っていたら、予定なんて入れなかったんですけど〜。
泊まっていた所もファームもたくさん面白いエピソードがたくさんあるので、これから少しずつ紹介していきますね。
→ トマトファームでピッキング専用の車にびっくり
→ 何だそれ!? バッパーパニック Part1
→ 何だそれ!? バッパーパニック Part2
→ バンダバーグの歩き方♪
→ バンダバーグラムとジンジャービア