ここのところテレビをつけても SNS を見ても、新型コロナウィルス (COVID-19) の話ばかりですね。
3月11日に WHO (世界保健機関) がついに新型コロナウィルスは世界的に流行するパンデミックだと宣言。今後1929年の世界大恐慌に匹敵するような最悪の事態が起きるかもしれないし、イタリアやイランで感染者が拡大している現在、まだまだこれからも引き続き要注意です。
ただ、現在の状況を見ていると、感染も怖いですが、物理的な接触を必要とせず、ウィルスよりも早く伝染していく人々の恐怖や不安もとても怖いと感じてます。
情報収集や危機管理は大切な事ですが、必要以上に怖がるのも免疫が落ちたりパニックになったりして良いことはなさそうですし、きっとどんなに心配しても何かが起こる時には起きるんです。
だから、とにかく淡々と予防していくしかないのかな、なんて思っているのですが、他にも現時点でシドニーに住んでいる私が感じている事を書きます。
※ これは2020年3月14日時点の話なので、現在の状況はかなり変わっています。最新情報は信頼できるサイトで確認してください。
→ 不確かな情報で惑わしたり惑わされたりするのやめて (新型コロナ関連)
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世界中に影響が…
オーストラリアの森林火災が少しずつ収束に向かいだした頃、ご存じの通り、よりにもよって中国人が世界中を移動する春節 (チャイニーズニューイヤー) の時期に、中国武漢で新型コロナウイルスが発生しました。
そして、わずか3カ月で世界中に感染者が広がっていき、3月13日の時点で127の国々で計13万6千895人、死者が5077人出ているとの事です。
詳しい人数等は、他のウェブサイトで。
https://experience.arcgis.com/
もちろんオーストラリアも他人事ではなく、オーストラリア政府も様々な対策を取って来ましたが、2020年3月14に手の時点でニューサウスウェルズ州91人、オーストラリア首都特別地域1人、ビクトリア州36人、南オーストラリア州16人、タスマニア州4人、クイーンズランド州35人、西オーストラリア州14人の合計197人の感染が確認されました。うち3人の死者が出てしまいましたが、27人は回復しています。
それに、オーストラリア経済は中国に依存している部分も大きかった為に景気にも影響を受けていますし、オーストラリア国内の大きな恒例イベントも次々と中止が決定されています。
観光業に力を入れているオーストラリアなので、かなり打撃を受けそうです。
私の周囲では…
シドニーに住む私たちの生活自体は、パンデミック宣言前までほとんど変化はありませんでした。もともとパートナーも私も基本的に家にいるというのもありますが、観光地やレストランなども多少警戒はしましたが普通に出掛けています。
2020年3月6日 (金) サーキュラキー
数週間観察していたのですが、シドニーの観光地にはいつも通り人がたくさんで、マスクをしている人は多分3割いくかいかないか、それもほぼ全員アジア人。そう言えば昨日、メルボルンでは誰もマスクしていないというツイートも見ましたが、本当でしょうか?
もともとオーストラリア人はよっぽどの事がないとマスクはしないですし、かくいう私も森林火災の時のマスクは残っているのですが、苦手で付けていません…。
うがいや手洗い、殺菌力のあるアロマを炊く等はしていますし、パートナーも前よりかなり慎重になってはいます。
そう言えば、2月の初めにうちのアパートのエレベーター前にも消毒液が設置されました。パンデミックが発表されてから、アパートのプールやジムも閉鎖という張り紙も。まあ、そうでしょうね。
あと、コロナウィルスが発生した早い段階で、ツイッター情報では世界中でアジア人差別が勃発しているような印象を受けたのですが、私自身は今のところ何もなく、どちらかというと親切にされる事が多いかもという感じです。
まあ、このような状況ではもはや人種なんて関係なくなりましたね。
オーストラリアでも商品買い占め
3月初めにはオーストラリアでも商品の買い占めが始まりました。
最初の頃は、日本のトイレットペーパーやマスクなどの買い占めを遠くで眺めて呆れていた海外在住日本人も多かったのですが、それはただ日本が早かったというだけで世界中で起こり始めたのです。
日本の買い占めはツイッターで流れたデマが原因と言われていますが、オーストラリアではテレビや SNS で在庫がなくなっている映像を見た人たちの不安が不安を呼んだのか、マスクやハンドジェルなどもともと品薄だった商品に加え、トイレットペーパーまで店頭から消えるという事態に。しかもそれは都市部だけではなく、結構田舎でも起こっているようです。
でも、本当はスーパーマーケットでは普段通りトイレットペーパーが出荷されていて、それをみんながすぐ買ってしまうので在庫がないように見えるだけで、実際はあるみたいですよ。そもそもトイレットペーパーはオーストラリア国内で生産されていますし、不足してないので譲り合おうと散々ニュースでも言っています。
にも関わらず買い占めは止まらず、本当に必要な人に行き渡らない可能性もあるのに、人々の不安って怖いなあと思ってます。
2020年3月2日 (月)
最初にガラガラのトイレットペーパーがあった棚を見た時は、まさかと思いました。きっと多くの人がそう思ったに違いありません。
買い占めるのはアジア人だけかと思いきや、実はそうでもないようです。数日前にはトイレットペーパーをめぐって良い歳をした女性のケンカの様子が顔も隠さずネットで拡散されていましたが、差別的発言するわ殴るわでエグいと思いました。
他の映像では上品そうな白人のおばあさんまで取り乱していて、身内だったらどんな気分になるだろう…と。
現場ではハンドジェル、ティッシュ、ミディアム米、パスタ、小麦粉、インスタントヌードル、缶詰なども、普段よりは品薄になっていますが、食糧は完全になくなったのを見た事ないですし (1店舗になくても他店にはある)、トイレットペーパーにしても時々 SNS で「ここにあるよ!」と情報をシェアしてる人たちをちらほら見掛けているので、あるところにはあるようです。ブリスベンのカフェではお客さんにプレゼントしていた、という素敵な情報も。
というか、1パック持って帰るのも大変なのに何パックも買うなんてすごい労力ですし、うちのような狭い家では収納スペースが限られているから置き場がなくてトイレットペーパーに囲まれて生活する事になるのも嫌だなあ…なんて、ちょっと全然違う事も考えてしまいました。
だいたい、オーストラリアの自給率は223%なので、とりあえずパニックにならなくても良いのかな、という気はします。
朝早く行けばトイレットペーパーはある
みんな「トイレットペーパーがない、ない」と言ってますが、スーパーマーケットでは1日に出すトイレットペーパーの量が決まっているので、朝早く売れてしまう前にお店に行けば、入手出来る確率は高いです。
騒ぎの当初、うちにはハンドジェルもティッシュもトイレットペーパーも余裕があったので、わりとのんびりと構えてました。1〜2週間後くらいにはこの馬鹿げた騒ぎが収まらないかなあという希望もありましたし。
でも、あれから約1週間経っても依然としてトイレットペーパーは売りれ。うちにはあと3ロール。
調べたら、私がよく行くワールドスクエアの Coles は午前6時から空いているという事だったので、正直ちょっと億劫でしたが、本当に朝早く行ったらトイレットペーパーがあるのか確認も兼ねて行ってみる事にしました。
午前7時半頃自宅を出発。
風がめちゃくちゃ強くて寒くて、だんだん冬が近づいているのでまだ薄暗く「何で朝早くからトイレットペーパーの為に出掛けないといけんのよ。」と、若干ちょっとムカつきました。
でも、うちのアパートからワールドスクエアまで徒歩で5分かからないくらいなのですが、途中でトイレットペーパーを抱えた人と2回すれ違ったので、「ああ、やっぱり朝は売ってるんだ。」という安堵感と「早く行かないともうないかも⁉︎」という焦りが同時にやって来て、いつの間にか自然と早足に…。
そして、無事トイレットペーパーを発見!
でも、すぐになくなりそうな勢いでした。白人のおじさんとかもいっぱいカゴに入れてましたし、周りにはトイレットペーパー目当てそうな人たちがいっぱいいたので、あの様子では9時までにトイレットペーパーは完売してそうです。
あと、ティッシュもほぼなくなる寸前で、粉ミルク系も少なかったです。ハンドジェルは…、私が別に困ってなかったので、確認するのを忘れてました。すいません。
最近ようやく商品を買う個数の制限が始まって、あちこちに張り紙もしてますが、みんなちゃんと読んでるんでしょうか?
ちなみに、この後私は一旦自宅に戻って、購入したトイレットペーパーを置いたあとに、今度はタウンホールの Woolworths に偵察に行ってみました。
でも8時半頃着いた時にはトイレットペーパーはなく、朝早くあったのかも不明です。
それにしても、たくさんの人が朝っぱらから買い物してましたねー。ある地域ではオープン前から行列になっているお店もあったとか。
まあ、自宅待機するに越した事はないので、蓄えは必要になるでしょうね…。
人種差別がない国なんてないと思う
それから、アジア人への差別的発言も世界各国で起こっているようです。
確かに世界には日本人も中国人も区別が付かない人がたくさんいて、日本人もアジア人としてひとまとめに見られる事も少なくないですが「ひどい!私は日本人なのに!」という発言は差別じゃないのか?という問題や、“お店のスタッフにため息つかれた!” やら、“レジで自分がお会計した後に消毒液をかけていた” やら、“バスで自分の隣に誰も座らなかった” やら、「え?それ、本当に差別?」というツイートも先月辺りは目立ってました。
まあ、中には本当に酷いものもありましたが、そこだけにフォーカスしてギャーギャー騒いでもあまり意味がないような…。
というか、ただ隠れていた差別が表面化しただけで、海外はキラキラしていると思ってた人たちが些細な事で深いショックを受けている印象があり、むしろ真実が垣間見えたので良かったのではとも思ってしまうのです。
日本にいるとなかなか差別を受ける機会がないのでショックかもしれないですが、気が付かない人が多いだけで日本人の差別もなかなかです。
痛みを知ったからこそ、自分は差別しないような人間になりたいですね。
※ この時点では、まだこの程度でした。
ネットリテラシーがとても大事な時代
そして情報収集ですが、今回も色々ありましたね。
今の時代はインターネットがあって便利な反面、デマが流れたり陰謀説が囁かれたり、多くの情報が溢れかえっています。
私のような個人でブログ発信している人も増えましたし、どこかのインフルエンサーさんはそんな個人ブロガーに向けて “今こそコロナウィルスの発信をしてお金を儲けるチャンス!” とツイートして炎上してました。
素人が不確かな情報をばら撒いて、本当に大切な情報が埋もれたら命に関わる大迷惑になるのですが、「さすが!勉強になります!」と群がっているコメントを見て、さすがに私もどんだけ情弱なんだよ…と思ってしまいました。
まあ、Google もバカじゃないので、コロナ関係で信憑性のない個人ブログのようなものは検索上位に上がらず、公式のしっかりしたサイトしか出て来ないようになっています。さすが、しょっちゅうアップデートして、アルゴリズムをコロコロ変えているだけあります。
YouTube も広告が付かなくなっていますが、それを承知で発信している人もたくさんいて、それはそれで立派かもと思いますが。
情報を発信する側も受け取る側も、今後ますますネットリテラシーが大切になって来ますね。
おわりに
日本の対応の遅さは早い段階から疑問視されていたし、それぞれ思う事はたくさんあるでしょう。情報もどこまで正確なのか、分からないところがあります。とにかく色んな事がどんどん変わっていっているので、新型コロナウィルスの正確な情報は、公式のサイトを見てください。
個人レベルでは、正しい情報を把握して必要以上にパニックにならない事が大事なのかなあ、と思ってます。
追記
パートナーのお義母さんはもうご高齢ですし、私たちが大丈夫でも万が一彼女にうつしてしまったら大変なので、なるべく外に出ない事にしました。みなさんもお気を付けて。